・労務費の続き
・経費の処理の仕方
・費目別計算のまとめ

費目別計算は次の部門別計算、製品別計算の基礎になる計算です。
ここが理解できていないと次につながりません。

それぐらい重要な内容なんだね。

そのために今回はあらためて費目別計算のまとめを作りました。
Contents
労務費の続き

前回までは基本的な労務費計算方法について解説しました。

今回は労務費の賃率差異の処理の求め方・処理の仕方について解説します。
労務費の月末の処理
予定賃率を使用している場合、実際の賃金消費額と差異が発生します。
この差異については賃金勘定から賃率差異勘定に振り替えます。
差異の求め方については材料費と同様の方法で求めます。
(賃金)20(賃率差異)20
予定消費額:@¥50×20時間=1,000
賃率差異 :1,000ー980=20(有利差異)
計算方法
※内側の長方形ー全体の長方形=(50×20)ー980=20
(賃率差異)20(賃金)20
予定消費額:@¥50×20時間=1,000
賃率差異 :1,000ー1,020=△20(有利差異)
計算方法
※内側の長方形ー全体の長方形=(50×20)ー1,020=△20
会計年度末の処理
会計年度末において月末に計上された賃率差異について売上原価勘定に振り替えます。
不利差異は売上原価勘定の借方へ有利差異は売上原価勘定の貸方へ振り替えます。
(売上原価)100(賃率差異)100
(賃率差異)100(売上原価)100
経費

経費とは製造原価のうち、材料費と労務費以外の原価をいいます。
以下の様に分類されます。
②月割経費…発生した費用を月割りすることによって把握することが出来る費用(例:保険料、減価償却費など)
③測定経費…原価計算期間の消費額を測定法にもとづいて把握できる経費
(例:電力費、ガス代、水道料など)
④発生経費…実際発生額をそのまま原価計算期間の負担額とする経費
(例:棚卸減耗費、など)
経費の分類
製品との関連による分類によると以下の様に分類できます。
(例:外注加工賃、特許使用料)
・間接経費…製品にいくらかかったか直接把握できない経費
(例:外注加工賃、特許使用料以外の経費全般)
経費を消費したとき
経費を消費したときは直接経費は仕掛品で処理し、間接経費は製造間接費で処理します。
(1)外注加工費¥10,000を現金で支払った
(2)年間の減価償却は¥24,000であるが、当月分の減価償却費について計上する
(3)当月の棚卸減耗費は¥2,000であった
解答
(1)(仕掛品)10,000(現金)10,000
(2)(製造間接費)2,000(減価償却累計額)2,000※
※24,000÷12ヶ月=2,000
(3)(製造間接費)2,000(材料)2,000
✓直接経費は外注加工賃、特許使用料の2つしか簿記の試験には出てきません。
✓経費は原則として実際発生額で計算します。
費目別計算総まとめ


費目別計算のポイントは3つです。
①直接費と間接費の区別(特に労務費)
②予定と実際の区別
③差異を計算するときは「予定ー実際」
材料費まとめ
・直接材料費…主要材料・買入部品
計算方法:実際消費量×消費単価(予定消費単価)
⇒仕掛品への振替
・間接材料費…補助材料・工場消耗品費・消耗工具器具備品
計算方法:原価計算期間における買い入れ額
⇒製造間接費へ振替
・材料消費価格差異…(予定消費単価ー実際消費単価)×実際消費量
労務費まとめ
・直接労務費…直接工の直接作業時間のみ
計算方法:消費賃率×直接作業時間
⇒仕掛品への振替
・間接労務費…①直接工の間接作業時間
計算方法:消費賃率×間接作業時間
②間接工の賃金
計算方法:当月支給額+月末未払い額ー月末未払い額
⇒製造間接費へ振替
・消費賃率差異…(予定作業時間ー実際作業時間)×消費賃率 (※直接労務費のみ)
⇒答えがマイナスならば不利差異(借方差異)
答えがプ ラ スならば有利差異(貸方差異)
経費まとめ
・直接経費…外注加工費、特許使用料(簿記の試験ではこの2つのみ)
⇒仕掛品へ振替
・間接経費…直接経費以外の経費
⇒間接経費へ振替
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