【ライバルと差をつけろ!】固定資産の買い替え、火災保険の仕訳等

商業簿記(解説)

前回に引き続いて固定資産の内容です。


今回の内容は今までの応用的な側面が強い内容です。


そのために内容が1回読んだだけでは理解できない方もいらっしゃると思いますが、その場合は繰り返し読んでただいて練習問題を解いてください


そのため、試験では出題されやすい内容になっています。


今回の解説ポイントは以下の内容です

ポイント
・買い替えの仕訳
・「除去」=「貯蔵品」
・「廃棄」=「売却損益」
・建設仮勘定
・火災保険に関する仕訳の処理

タカ
タカ

固定資産の買い替えや、火災保険に関する仕訳は特に第1問で出題されます。

ニャット
ニャット

やや複雑な仕訳だから出題されやすいんだね。



今回の内容をしっかり理解してライバルと差をつけましょう。


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買い替え

買い替えとは今まで使っていた旧固定資産を下取りに出し新たな固定資産を購入することをいいます。


取引の内容としては①旧固定資産売却と②新固定資産の購入という2つの取引に分けられます。


固定資産の買い替え=旧固定資産の売却+新固定資産の購入


ニャット
ニャット

「売却」の内容は下記のページを併せて読んでいただけるとよく理解できます。


【簿記3級】減価償却をスッキリ理解して点数を稼ごう!
減価償却は簿記3級では総合問題では必ず出題されます。そして、ここは必ず点数を取らなければならない範囲です。 その理由は計算方法はきまっており、取引も他の範囲期に比べて単純だからです。 今回のブログの内容でしっかり理解して点数につなげましょう。 ポイント ・減価償却の3要素 ・計算方法(期中取得・売却) ・月次決算


例 当社は今まで使用していた車両(取得価額:¥1,000,000、減価償却累計額:250,000、記帳方法は間接法)を4月1日に下取りに出し、新車両を¥1,500,000で購入した。なお旧車両の下取り価格は¥800,000であり、新車両の購入価額との購入価額は現金で支払った。


①売却

         (減価償却累計額)250,000 (車     両)1,000,000
         (現     金)800,000 (固定資産売却益)  50,000


タカ
タカ

この時点で現金で売却したと考えます。


②購入

         (車     両)1,500,000 (現     金)1,500,000


ニャット
ニャット

新たに現金で購入したと考えるんだね



③買い替えの仕訳
①と②の仕訳をあわせて相殺消去した仕訳が買い替えの仕訳になります。

 (減価償却累計額)250,000       (車     両)1,000,000(旧車両)
 (車     両)1,500,000(新車両) (固定資産売却益)  50,000
                     (現     金) 700,000


車両を相殺して500,000とするのはNGです。
仕訳が買い替えの内容を表わさなくなってしまいます。


除去


固定資産が使えなくなってしまった場合に倉庫等に保管することを除去といいます。


除去し倉庫等に保管される場合は売却されるまで貯蔵品(資産)として処理します。


また、貸借差額固定資産売却損or固定資産売却益で処理します。


例 当社は備品(取得原価:¥50,000、減価償却累計額:¥30,000、間接法で記帳)を除去した。この備品の処分価格は¥5,000であった。

      (減 価 償 却 累 額) 30,000   (備     品)50,000
      (貯   蔵   品) 5,000
      (固定資産売却損益)15,000※

貸借差額

廃棄


廃棄したときは固定資産に価値はありませんので、固定資産の全額固定資産除去損として処理します。なお、廃棄した費用固定資産除去損に含めて処理します。


例 当社は備品(取得価額:¥10,000、減価償却累計額¥7,000、記帳方法:間接法)を廃棄した。なお、廃棄費用¥1,000については現金で支払った。

         (減価償却累計額)7,000  (備品)10,000
         (固定資産除去損)4,000※ (現金)1,000

貸借差額

建設仮勘定

建物や倉庫については建設期間が長期にわたる場合があります。


その場合は契約代金の一部を建設業者に手付金として渡す場合があります。


このように完成していない固定資産について代金を支払った場合は「建設仮勘定」(資産)で処理します。


例 当社は建物の新築のため建設会社と契約を結び手付金として¥1,000,000を現金で支払った。

          (建設仮勘定)1,000,000(現金)1,000,000

 


完成した場合(建設仮勘定)をマイナスし、建物や構築物等適切な固定資産の科目に振り替えます


また、その際に不足分を支払った場合は固定資産の取得価額に含めます


 

例 当社は上記の建設中の建物が完成した。請負金額のうち未払い分¥1,000,000を月末払いとし、引き受けを受けた。

        (建   物)2,000,000(建設仮勘定)1,000,000
        (未 払 金)1,000,000

       

建設仮勘定は固定資産として機能していないため、「建設仮勘定」として決算をむかえた場合減価償却は行いません


修繕と改良

建物を改修した場合と、修繕した場合の会計処理は異なります。


ニャット
ニャット

同じじゃないの?

タカ
タカ

この2つは会計上、全く異なります。ただし実務ではどっちで処理するのか担当者は頭を悩ませるところですね。


修繕…固定資産現状を維持するための支出
改良…固定資産を価値を高める支出


修繕の処理


現状を維持するための処理を収益的支出といい、修繕費(費用)として処理します。

具体例:雨漏りの修繕、汚れ落とし等


改良の処理


価値を高めるための支出を資本的支出といい、固定資産の価値に加算します。

具体例:非常階段の設置、建物の耐震強化、防音防火加工等


例 当社は建物の修繕費¥5,000を現金で支払ったが、そのうち¥2,000については資本的支出とみなされた。

            (建 物)2,000 (現 金)5,000
            (修繕費)3,000


固定資産が火災等により滅失した場合


建物が火災などにより燃えてしまい、焼失した場合にはどのような処理をおこなうのか見ていきましょう。

滅失したときの仕訳


固定資産が火災や水害で損害を受けたときは保険をかけているかいないかで処理が変わります。


1、保険をかけていない場合


保険をかけていない場合は災害があった場合に損失が確定するため、その時点で帳簿価額を火災損失」(費用)で処理します。


2、保険をかけている場合


保険をかけている場合、実際に固定資産が災害を受けたとしても保険会社はすぐに保険金を支払ってくれるわけではありません。


保険会社が保険金の額が確定するまで災害による損失の額は確定しません。


確定するまでは「火災未決算」(資産)として処理します。


ニャット
ニャット

保険会社に対する未収金みたいなものかな?

タカ
タカ

そうですね。違いは振り込まれる額は保険会社が算定するところですね。


例 当社は建物(取得原価:¥100,000、減価償却累計額:¥60,000、記帳方法:間接法)が火災により焼失した。


パターン① 建物に対して火災保険がかけられている場合
        (減価償却累計額)60,000(建     物)100,000
        (火 災 未 決 算)40,000※

貸借差額


パターン② 建物に対して火災保険がかけられていない場合
        (減価償却累計額)60,000(建     物)100,000
        (火 災 損 失)40,000※

貸借差額

保険の額が確定した場合


保険金の額が確定した場合、確定した額を「未収金」で処理し「火災未決算」をマイナスします。


未収金と火災未決算の差額が出た場合
未収金>火災未決算⇒「保険差益」(収益)
未収金<火災未決算⇒「火災損失」(費用)


パターン① 上記の焼失した建物について保険金¥50,000で確定したと保険会社から連絡があった。

         (未 収 金)50,000(火災未決算)40,000
                   (保 険 差 益)10,000


パターン② 上記の焼失した建物について保険金¥30,000で確定したと保険会社から連絡があった。

          (未 収 金)30,000(火災未決算)40,000
          (火 災 損 失)10,000

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