【難しい!?】圧縮記帳・有価証券の理解のコツを伝授します!

商業簿記(解説)

今回の内容は2級に新登場した「圧縮記帳」と3級からボリュームアップした「有価証券です。


特に有価証券は3級との違いに面食らう方もいらっしゃるかもしれません。


ニャット
ニャット

有価証券の種類多すぎない?
それぞれの処理を覚えられないよ…

タカ
タカ

そうですね。有価証券の種類は突然増えましたね。

1つずつ理解していけばそこまで負担になりません。

タカ
タカ

また、有価証券は総合問題では得点源になる分野です。
しっかり、理解しましょう!


今回のポイント
・圧縮記帳の処理
・有価証券の種類
・有価証券の購入、配当・利息と売却
・有価証券の時価評価


タカ
タカ

最後まで読んでいただければきっと圧縮記帳・特に有価証券を理解していただけます。

ニャット
ニャット

お願いします。


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圧縮記帳

工事現場のイラスト
タカ
タカ

国から様々な補助金を受け取る場合があります。

ニャット
ニャット

ニュースなんかでよく聞くね。

その場合どのような処理を行うのでしょう?


補助金について


地球環境温暖化等の国の政策を推進するために、国や地方公共団体から補助金を受け取ることがあります。


これを国庫補助金といいます。


また、電気やガスなどの公共事業を営む企業が利用者から建設施設を受け取ることがあります。


これは工事負担金といいます。


これらを受け取ったときは国庫補助金受贈益(収益)工事負担金受贈益(収益)として処理します。


例 A社は国庫補助金¥1,000を現金で受け取った。

(現   金)1,000 (国庫補助金)1,000


圧縮記帳について


上記の様な収益に計上したままでは会社の収益が増加し最終的には法人税が増加してしまい、国が補助する活動について企業が活動を控えるようになってしまいます。


補助金を受け取る⇒企業の収益増加⇒法人税増加⇒活動抑止

重い税金に苦しむサラリーマンのイラスト


 そこで、一時的な税金を回避するため、国庫補助金の対象となる固定資産を取得したとき補助金の額だけ「固定資産圧縮損」(費用)を計上します。

そして同額だけ固定資産の取得価額を減らします。


元気な男性会社員のイラスト


例 A社は国庫補助金¥1,000に自己資金¥500で建物を購入し、現金で支払った。


①建物の購入

(建    物)1,500 (現    金)1,500

②圧縮記帳

(固定資産圧縮損)1,000 (建    物)1,000

③仕訳のまとめ(①+②)

        (建     物) 500 (現     金)1,500
        (固定資産圧縮損)1,000


これにより建物の帳簿価額は¥500となります。


減価償却


圧縮記帳した固定資産についても通常通り減価償却を行います。


例 A社は12月1日に国庫補助金¥1,000に自己資金¥500で建物を購入した。この建物について決算に伴い減価償却を行う。(耐用年数:10年、残存価額10%、間接法で記帳)

         (減価償却費)15/(減価償却費累計額)15※
※500×0.9÷10×4ヵ月/12ヶ月=15

(注)建物の帳簿価格について
取得価額1,000+500=1,500
1,500-1,000(固定資産圧縮損)=500(建物帳簿価額)


タカ
タカ

圧縮記帳はよく節税対策として用いられます。

ニャット
ニャット

そうなの?

タカ
タカ

圧縮記帳を行った年度は固定資産圧縮損が計上されるため収益が小さくなり、税金は小さくなります。

ニャット
ニャット

なるほど、税金が小さくなるんだったらやったほうが得だね。

タカ
タカ

しかし固定資産の取得価額が小さくなってしまうため、次年度以降の減価償却費が小さくなります。その結果長い目でみれば、節税効果はあまりないようです。

ニャット
ニャット

なーんだ、なかなかうまい話ってないね。


有価証券


株券のイラスト
タカ
タカ

3級の内容は以下のページを参考にしてください。

【得点源にしよう!】有形固定資産・有価証券・未収金等
今までは営業上の取引がメインでしたが、今回は営業外の取引について見てみましょう。 営業外の取引は今後の減価償却の基礎や総合問題の得点源になります。 今回のポイント ・固定資産の取得価額 ・有価証券の取得価額、売却、配当 ・未収金、未払金の理解 ・借入金、貸付金(手形借入金、手形貸付金)の処理、違い

有価証券の種類


有価証券の種類は以下に分類されます。

売買目的有価証券…時価の変動によって利益を得ることを目的とる有価証券
満期保有目的債券…満期まで保有する意図をもって保有する債券
子会社株式…子会社の株式(子会社の説明は後ほどします。)
関連会社株式…子会社以外の会社に対して影響力を与えることを目的とした有価証券
その他有価証券…上記以外の有価証券
 

有価証券の購入


有価証券の取得価額はについては以下の方法で求められます。


取得価額=購入代価+付随費用


この内容の解説は3級のページを参考にしてください。


例 当社は以下の有価証券を取得した。代金はすべて月末払いとした。
  ・A社株式を売買目的で1株¥100で10株購入した。
  ・B社社債を満期保有的で額面¥100を¥98で額面¥20,000購入した。
  ・C社株式を1株¥200で100株購入した。その結果C社は子会社になった。
  ・D社株式を1株¥300で20株購入した。

      (売 買 目 的 有 価 証 券) 1,000  /(未 払 金)46,600
      (満期保有目的有価証券)19,600※
      (子  会  社  株  式)20,000
      (そ の 他 有 価 証 券) 6,000

※20,000×98/100=19,600


配当金と利息


有価証券では配当、社債では利息を受け取ることができます。


配当は受取配当金(収益)、利息は有価証券利息(収益)として処理します。


例 当社はA社株式について配当金領収書¥100を受け取った。また、B社社債の期限到来済み利札¥200を受け取った。

          (現    金)300(受 取 配 当 金)100
                    (有 価 証 券 配 当 金)200


売却


売却する際の払出原価(帳簿価額)の算定方法

・平均原価法
・移動平均法
・先入先出法


平均原価法


同じ会社の株式や公社債を複数回購入し、売却した場合、株式の平均単価を求め平均単価に売却株式数をかけて売却株式の帳簿価額を求めます。


平均単価=(1回目の取得原価+2回目の取得原価…)÷(1回目の取得株式数+2回目の取得株式数…)


売却株式の帳簿価額=平均単価×売却株式数


取得価格より高い価格で売却した場合→取得価格との差額は有価証券売却益
取得価格より低い価格で売却した場合→取得価格との差額は有価証券売却損


移動平均法・先入先出法は以下のページを参照にしてください。

【禁断!?】商品有高帳の攻略テクニック(必須テクニックです)
商品有高帳に関しては第2問と第4問でも出題される可能性があります。また、2級の工業簿記でも使います。 商品有高帳の解き方はは簿記3級では必須テクニックです。 商品有高帳からどうやって計算するんだよ?もっと早く解けない?ミスを少なくしたい! そんな貴方にぴったりのテクニックをお教えします。


例 当社は当期中にA社株式を2回にわたって購入した。1回目は購入単価@¥100で100株購入し、2回目は購入単価¥150で100株した。また、上記株式のうち150株を単価@150で売却し、代金は月末に受け取るとした。

     (未  収  金)22,500 (売買目的有価証券)18,750※1
                  (有価証券売却益)  3,750※2

※1 (@100×100株+@150×100株)/(100株+100株)=@125
@125×150株=18,750

※2 差額


決算時の仕訳


①売買目的有価証券


売買目的有価証券は決算時において時価に帳簿価額を変更します。これを評価替えといいます。


1、時価>帳簿価額の場合


喜ぶ株主のイラスト


売買目的有価証券の帳簿価額を時価にまでプラスします。相手勘定は有価証券評価益(収益)で処理します。


例 当社は決算においてA社株式(売買目的有価証券)の帳簿価額¥1,000を時価¥1,500へ評価替えを行う。

(売買目的有価証券)500(有価証券評価益)500


2、時価<帳簿価額の場合


嘆く株主のイラスト


売買目的有価証券の帳簿価額を時価にまでマイナスします。相手勘定は有価証券評価損(費用)で処理します。


例 当社は決算においてA社株式(売買目的有価証券)の帳簿価額¥1,000を時価¥500へ評価替えを行う。

(有価証券評価損)500 (売買目的有価証券)500



②満期保有目的債券


満期保有目的債券は満期まで保有する債券です。


つまり、売却目的で保有しているのではないため、期末時点の時価には意味がありません。


そのため期末時点で時価評価を行いません。


一方、債券は通常額面より低い(または高い)価額で購入します。


この額面と取得価額との差額を金利を調整するための差額を金利調整差額といいます。


この金利調整差額を償却原価法で処理します。


償却原価法とは?


償却原価法は額面と取得価額との差額を一定の方法でプラス(またはマイナス)する方法です。


方法には定額法利息法がありますが、2級では定額法のみが出題されますので、定額法のみ扱います。


金利調整差額の当期償却額=金利調整差額×(当期所有月数)/(取得日から満期日までの月数)


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例 当社は✖1年10月1日にA社社債(満期保有目的、満期日✖6年9月30日)はを額面100円あたり@¥98で額面総額¥20,000購入した。決算に伴いA社社債を償却原価法(定額法)を適用する。

          (満期保有債券)40(有価証券利息)40

20,000ー20,000×98/100=400(金利調整差額)
400×6ヵ月(当期保有月数)/60ヶ月(購入から満期までの月数)=40


③子会社株式、関連株式


子会社株式、関連株式については売却することを目的として保有していないため、期末時点の時価には意味がありません。


そのため期末時点で時価評価を行いません。


④その他有価証券


その他有価証券の保有目的は「そのうち売却するかもしれない」または「売却するつもりもないけれど、子会社株式や関連会社株式でもない」といった株式で保有目的は様々です。


その株式の時価と帳簿価額の差額を損益として扱うことは適切ではありません。


そこでその他有価証券については時価との差額を「その他有価証券評価差額金」(純資産)で処理します。


この「その他有価証券評価差額金」の扱いには全部純資産直入法と、部分純資産直入法がありますが、2級では全部純資産直入法のみ扱います。


例 当社が保有するA社株式(その他保有目的)を決算に伴い時価評価を行う。なおA社株式は帳簿価額¥1,000であり、決算時時価は¥1,200である。

       (その他有価証券)200(その他有価証券評価差額金)200


この「その他目的有価証券評価差額金」については翌期首において再振替を行います。


この方法を洗替法(あらいがえほう)といいます。


例 期首に伴い上記A社株式の洗替を行った。

       (その他有価証券評価差額金)200(その他有価証券)200

まとめ

①圧縮記帳

・補助金を受けた額を固定資産の帳簿価額からマイナスする。
    (固定資産圧縮損)× ×  (固 定 資 産)× ×

・補助金を受けた額を固定資産はマイナス後の帳簿価額で原価償却を行う。

②有価証券

・有価証券の種類

売買目的有価証券…時価の変動によって利益を得ることを目的とる有価証券
満期保有目的債券…満期まで保有する意図をもって保有する債券
子会社株式…子会社の株式(子会社の説明は後ほどします。)
関連会社株式…子会社以外の会社に対して影響力を与えることを目的とした有価証券
その他有価証券…上記以外の有価証券

有価証券の購入

取得価額=購入代価+付随費用

・利息と配当

配当は受取配当金(収益)、利息は有価証券利息(収益)で処理

・売却単価の算定方法

・平均原価法
・移動平均法
・先入先出法

・決算整理

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