【これでわかる!】簿記2級 リース仕訳完全解説

商業簿記(解説)

前回ではリース取引の導入的な解説をしました。

【簿記2級】リース取引を理解する3つのポイント+特殊な引当金(返品調整引当金・売上割戻引当金) 
今回から本格的に簿記2級の新試験範囲に突入します。 特にリース取引については以前は1級の範囲でしたので、不安に思う方もいらっしゃる方もいると思いますが、理屈を抑えれば難しい内容ではないです。 このブログ読んでいただけると、リース取引の根幹の理屈が理解できます。基本の理屈が理解できていると応用的な問題にも対応できます。


今回は具体的なリース取引の仕訳・計算方法について解説します。

スポンサーリンク

リース取引の続き


前回は簿記2級におけるリース取引の概要を解説しました。


今回は具体的なリース取引の会計処理・仕訳方法を解説します。


リース取引のポイント
・リース料総額を資産計上か支払いリース料を費用処理
・資産計上する場合利息資産額に込めるか込めないか。
 
今回のブログを読んでいただけるとリース取引の処理をしっかり理解できます。
 

ファイナンス・リース取引の借手の処理

モニターの置かれた机のイラスト


「ファイナンス・リース取引」は資産を実質的に購入したのと同じ意味を持つ取引と上で書きましたが、通常の売買取引に準じて会計処理を行います。


①利子込み法

肩を組む人たちのイラスト(棒人間)


契約時
契約書のイラスト(印鑑)


リース取引においてリース会社はリース物件の原価に対して利益を含んだ額で借手と契約を結びます。


この利益は借手から見ればリース資産を借りたことに対する利息と考えられるため、この利息分を「利息相当額」といいます。


利子込み法の契約時の会計処理は利息相当額を含めた額リース資産(資産)を借方に計上するとともに、同額をリース負債(負債)を貸方に計上します。


支払い時
電子マネー払いのイラスト


リース料を支払ったときはリース料分だけリース債務(負債)を減少させます。


タカ
タカ

備品を未払金で購入した場合に、未払金を分割払いした取引と同じ意味です。


決算時
会計帳簿のイラスト


リース資産の価格をもとに、リース期間を対応年数とし、残存価額をゼロとして減価償却を行います。


タカ
タカ

前回説明しました借入金で資産を購入した取引と実質的に同じと考えると以下の様にまとめられます。


リース物件⇒リース資産 借入金⇒リース負債


例 ×1年4月1日当社は以下の条件でリース契約を結んだ。(1)(2)(3)の仕訳を示せ。
条件
①リース期間:5年
②年間リース料 2,000円(毎年3月31日後払い)

(1)リース契約時の仕訳
         (リース資産)10,000 (リース負債)10,000
リース料総額:2,000×5年=10,000


(2)リース料支払い時の仕訳
         (リース負債)2,000 (現   金)2,000


(3)決算時
         (減価償却費)2,000(減価償却費累計額)2,000
10,000÷5年=2,000



②利子抜き法

仲間はずれのイラスト(棒人間)


リース物件のうち、リース会社の利益分については資産として扱うのではなくリース物件を借りたことに対する利息と考える方法


リース物件の原価については借手には通常不明なため見積現金購入価額を以て代用します。


1契約時
契約書のイラスト(サイン)


リース料総額から利息相当額を控除した額(見積現金購入価額)リース資産(資産)として借方に計上し、同額リース負債(負債)貸方に計上します。


2支払い時
キャッシュトレイのイラスト


利息相当額を含まないリース料の分だけリース債務を減少させます。また、利息相当分について支払利息(費用)で処理します。


3決算時
会計士のイラスト(男性)


リース資産の価格をもとに、リース期間を対応年数とし、残存価額をゼロとして減価償却を行います。


例 ×1年4月1日当社は以下の条件でリース契約を結んだ。(1)(2)(3)の仕訳を示せ。
条件
①リース期間:5年
②現金購入見積価額:8,000
③年間リース料 2,000円(毎年3月31日後払い)

(1)リース契約時の仕訳
       (リース資産)8,000(リース負債)8,000


(2)リース料支払い時の仕訳
        (リース負債)1,600※1(現金)2,000
        (支払利息)400※2
※1 8,000÷5年=1,600
※2 (10,000ー8,000)÷5年=400 または差額


(3)決算時

       (減価償却費)1,600(減価償却費累計額)1,600
8,000÷5年=1,600


利子抜き法のイメージ図


参考:1級への道

起業家のイラスト(男性)


リース料の前払い


リース料をリース期間の最初に前払いする場合第1回目のリース料の金額には金利相当額は含まれません


例 ×1年4月1日当社は以下の条件でリース契約を結んだ。以下の仕訳を示せ。
条件
①リース期間:5年
②現金購入見積価額:8,000
③年間リース料 2,000円(毎年4月1日前払い)
④利子抜き法により処理すること。


(1)リース契約時の仕訳(×1年4月1日)

           (リース資産)8,000(リース負債)8,000


           

(2)決算時(×2年3月31日)

       (減価償却費)1,600(減価償却費累計額)1,600
       (支 払 利 息) 400(未 払 利 息)400※
※(2,000×5-8,000)÷5=400


ニャット
ニャット

1回目の利息を支払うのが翌年度になるから「未払利息」で計上するんだね。

タカ
タカ

そうです。
リース料が「前払い」の場合は気を付けてください。


(3)翌期首(×2年4月1日)(再振替記入+リース料支払い)

        (未払利息)  400  (支払利息)400
        (リース負債)1,600  (現  金)2,000
        (支払利息)  400


(2)決算時(×3年3月31日)

       (減価償却費)1,600(減価償却費累計額)1,600
       (支 払 利 息) 400(未 払 利 息)  400


オペレーティング・リースの借手の処理

軽トラックのイラスト(幌付き)


前回説明しました、「ファイナンス・リース取引」の2つの要件を満たさない取引を「オペレーティング・リース取引」といいます。


「ファイナンス・リース取引」は資産を取得したことと同義と考えていることに対して、「オペレーティングリース取引」は資産を借りている取引と考えます。(これを賃貸借取引といいます。)


会計処理の方法としましてはリース料の支払い時に支払リース料」等の適切な科目※で費用処理をするのみです。


タカ
タカ

※科目の詳細については問題に従ってください。


例 ×2年7月1日当社は備品について以下の条件でリース契約(オペレーティング・リース取引)を締結した。(リース期間:5年間、年間リース料:2,000円、支払日:6月末)

(1)リース契約時の仕訳

仕訳なし

(2)決算時
          (支払リース料)1,500(未払利息)1,500
※2,000×9ヶ月/12ヶ月=1,500


(3)翌期首
          (未払利息)1,500(支払リース料)1,500


(4)支払い時
          (支払リース料)2,000(現   金)2,000


まとめ


「ファイナンスリース取引」

解約不可能フルペイアウト⇒リースであっても購入したことと実質的に同じ(ファイナンス・リース取引)⇒資産計上リース料総額を負債計上(≒資産の分割購入)


「オペレーティング・取引」

「ファイナンス・リース取引」以外の取引⇒支払額を費用計上

コメント

タイトルとURLをコピーしました