【為替レートを把握できればOK】あとは差額を求めるだけ?外貨換算会計は難しくないです!点が取れます!!

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現在のグローバルな経済を考えると国内の処理だけを見ているだけでは不十分です。


多くの企業が海外と取引を行っていますね。


海外との取引はどのように処理するのか見てみましょう。



タカ
タカ

今回のポイントはどの取引にはどのレートを使うのかの判断です。

ニャット
ニャット

なかなか面倒だね。

タカ
タカ

こればっかりは慣れですね。


今回のポイント
・各取引で使用するレート
・前受金・前渡金の処理
・決算日の処理


今回のブログを最後まで読んでいただでければ、外貨換算会計の基礎を理解できますよ。


目次

外貨換算会計

ドル袋のイラスト(お金)



外貨換算会計ではどの取引をどの為替相場で日本円に換算するのか理解するのがポイントです。



換算に用いる為替相場
①取引発生時の為替相場HR(Historical Rate)
②決算時の為替相場CR(Current Rate)


外貨建て取引の換算

両替機のイラスト(EXCHANGE)


外貨建ての取引取引発生時の為替相場で処理します。


例 当社は海外のA社より商品10,000ドル輸入し、代金は掛けとした。なお輸入時の為替相場(HR)は1ドル100円である。

(仕入)1,000,000(買掛金)1,000,000※

※10,000ドル×100円/ドル=1,000,000



例 当社は海外のB社より商品12,000ドル輸入し、代金は掛けとした。なお輸入時の為替相場(HR)は1ドル110円である。

(売掛金)1,320,000(売上)1,320,000※

※11,000ドル×110円/ドル=1,320,000



代金決済時の処理

オンライン決済のイラスト


取引」は発生時の為替相場で換算しました。

一方で外貨建債権債務(外貨建の資産負債)の決済は決済時の為替相場で決済を行います。


決済時の為替相場で評価すると、買掛金・売掛金は決済額との間で差額が発生します。この差額を「為替差損益」で処理します。


例 ×1年5月1日に商品$5,000を売り上げた。(当日の為替相場(HR)は1ドル100円である。)

(売掛金)500,000(売上)500,000※

※$5,000×100円/ドル=500,000


例 ×1年7月1日上記の売掛金を当座預金で回収した。(当日の為替相場(HR)は1ドル110円である。)

         (当座預金)550,000※1(売 掛 金)500,000
                      (為替差損益)  50,000※2

※1 $5,000×110円/ドル=550,000
※2 差額



ポイント 為替差損益について



タカ
タカ

為替差損益については財務諸表に細かく表示するよりも、一括して最終的な損益を表示したほうが適切と考えられています。

ニャット
ニャット

どうゆうこと?

タカ
タカ

下の図のように為替差損益は純額で表示します。
その際に貸方残高ならば営業外収益に表示し、借方残高ならば営業外費用に表示します。


(後ほど、財務諸表の構成について解説します。)



前渡金・前受金の取引

手紙を渡す会社員のイラスト(女性)


取引に先だって前渡金や・前受金のやり取りした場合についてはその時点の為替相場(HR)により換算します。


例(1) 商品$2,000の商品の輸出に先立ち、手付金$500の送金を現金で受けた。(当日の為替相場(HR)は$1=100円/ドル)

(現金)50,000(前受金)50,000※

※$500×100円/ドル=50,000


例(2) 上記(1)の商品の輸出を行い代金のうち、上記(1)の手付金を充当し、残額は掛けとした。(当日の為替相場(HR)は$1=105円/ドル)

          (売掛金)157,500※1(売上)207,500※2
          (前受金)50,000

※1 (2,000ー500)×105円/ドル=157,500
※2 157,500+50,000=207,500



例(3) 上記(2)の売掛金を回収し、代金は当座預金とした。(当日の為替相場(HR)は$1=110円/ドル)

         (当座預金)165,000※1(売 掛 金)157,500
                      (為替差損益)    7,500※2

※1 (2,000-500)×110円/ドル=165,000
※2 差額



例2(1) 商品$2,000の商品の輸入に先立ち、手付金$500の送金を現金で支払った。(当日の為替相場(HR)は$1=100円/ドル)

(前払金)50,000(現金)50,000※

※$500×100円/ドル=50,000



例2(2) 上記(1)の商品の輸出を行い代金のうち、上記(1)の手付金を充当し、残額は掛けとした。(当日の為替相場(HR)は$1=105円/ドル)

          (仕入)207,500※2(買掛金)157,500※1
                     (前払金)50,000

※1 (2,000ー500)×105円/ドル=157,500
※2 157,500+50,000=207,500



例2(3) 上記(2)の買掛金を支払い、代金は当座預金から支払った。(当日の為替相場(HR)は$1=110円/ドル)

          (買 掛 金)157,500(当座預金)165,000※1
          (為替差損益) 7,500※2

※1(2,000-500)×110=165,000
※2 差額



外貨建債権債務の円転

両替のイラスト「ドルと円の両替」


外貨建債権債務を日本円に交換せずそのまま保有している場合、発生時の為替相場で換算された額で計上されますが、決算日まで保有している場合は以下の様に換算され、差額は「為替差損益」で処理します。


期末換算方法

具体例換算為替相場
貨幣性資産・負債現金・預金・売掛金・買掛金決算日(CR)
非貨幣性資産・負債棚卸資産・前受金・前払金発生日(HR)


ポイント


外貨建前受金・前払金発生日(HR)で換算を行う。
外貨建未収収益・未払費用決算日(CR)で換算を行う。


試算表の作成


例 以下の資料にもとづき、決算整理残高試算表を作成しなさい。

(資料1)決算整理前残高試算表

(資料2)決算整理事項

決算営利前残高試算表の資産・負債のうち、外貨建ての物は以下のとおりである。なお、決算時の為替相場は1ドル108円である。


解説

①現金の換算
帳簿価額:3,000円
期末時価:30ドル×108円=3,240
換算差額,:3,240ー3,000=240(増加)

(現  金)240(為替差損)240

②売掛金の換算
帳簿価額:12,000
期末時価:100ドル×108=10,800
10,800ー12,000=△1,200(減少)

(為替差損益)1,200(売掛金)1,200

③買掛金の換算
帳簿価額:8,400
期末時価:70ドル×108円=7,650
換算差額:7,650ー8,400=△750(減少)

(買掛金)750(為替差損益)750

決算整理後残高試算表の残高

①現 金:5,000+240=5,240
②売掛金:15,000ー1,200=13,800
③買掛金:10,000ー750=9,250
④為替差損益:240ー1,200+750=△210(借方残高)

決算整理後残高試算表は以下の様になります。


タカ

続きは以下のページになります


まとめ

外貨建て取引の換算

外貨建ての取引取引発生時(HR)の為替相場で処理します。

代金決済時の処理

外貨建債権債務(外貨建の資産負債)の決済は決済時の為替相場で決済を行います。
差額は「為替差損益」で処理します。

為替差損益について

為替差損益純額で表示

前渡金・前受金の取引

取引に先だって前渡金や・前受金のやり取りした場合についてはその時点の為替相場(HR)により換算します。

期末換算方法

具体例換算為替相場
貨幣性資産・負債現金・預金・売掛金・買掛金決算日(CR)
非貨幣性資産・負債棚卸資産・前受金・前払金発生日(HR)


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