簿記に興味がある方は日々勉強されているされていると思います。
しかし、たまには勉強の手を止めて小説を読んで間接的に勉強してみませんか?

小説のいいところは勉強だけでは知ることのできない実務でどのように簿記の知識が生かされているあを知ることができます。
ですので、今回は私のおすすめの会計・金融系の小説を紹介したいと思います。
巨大投資銀行 黒木亮著
この本は投資銀行が最も華やかな80年代・90年代のウォール街の投資銀行で働く日本人3人にスポットをあてた小説です。
とくに、ソロモン・ブラザーズの副社長にまで上り詰めた明神茂氏をモチーフにしたキャラクターの比率くような取引・爽快な活躍ぶりは読みはじめると止まりません。
この本の舞台は投資銀行なので様々なファイナンスの理論や金融工学の理論が出てきます。
しかしながらこのような内容はすべて飛ばしても物語の面白さは遜色ありません。
巨額粉飾 嶋田賢三郎著
この本はカネボウによる粉飾決算をモチーフにした小説です。
ちなみに現在、化粧品として発売されている「カネボウ」については2004年に花王が買収し「カネボウ化粧品」として残ったものですが、かつては違っていました。
かつては明治以来の「鐘淵(かねぼう)紡績株式会社」という名門企業でした。
バブル崩壊以降この名門企業は業績悪化の一途をたどり、その中で粉飾に手を染めていくようになりました。
著者はこの間、財務担当としながらなんとか現在の粉飾を是正するために東走西奔する物語です。
簿記1級の知識があれば完全に理解できますが、なくても物語として会計・経理に関する人間ならばカネボウの粉飾は一般常識として知っておきたいところですね。
個人的には、逆取得を粉飾スキームは思わずなるほどとうなってしまいました。
(ちなみに、現在は会計基準が変更したので同じスキームは使えません。)
青い蜃気楼 小説エンロン 黒木亮著
カネボウに限らずエンロンに関しても簿記・会計に携わる人間なら知っておきたい粉飾事件。
当時、ぐるになって損失隠しを行っていた世界最大の監査法人アーサー・アンダーセンが解散に追い込まれるほどの衝撃を与えました。
エンロン自体はもともとは一介のガス・パイプラインの会社でしたがガスのみならず様々なデリバティブを発明してから一時はアメリカで最も革新的な企業に選ばれるまでになりました。
しかしながら、裏ではデリバティブの損失が増加し破綻にまで追い詰められます。
破綻に追い込まれるまでの一連の流れは一読の価値はあります。
帳簿の世界史 ジェイコブ・ソール著
簿記の始まりから現在に至るまで歴史を語った本です。
もっと言えば、歴史の裏には簿記あり。ということで簿記・会計が歴史にどのように影響を与えたのかがよくわかる本です。
これは過去も現在も変わりません。歴史的事実です。
簿記・会計に携わる人間はそれだけ権力を握っていることを自覚できる本です。
経理の人間はそれだけ自らを律する必要がありますね。
世界「倒産」図鑑 荒木博行著
皆さんはこんな言葉を聞いたことがあるでしょうか?
つまり失敗する方法を勉強することで自らの会社が同じ轍を踏むことを避けられる可能性が大きくなります。
この本は、タイトルのままで一時期は有名企業で名をはせた企業であったとしても企業戦略やその考え方を誤ったことから倒産してしまった様々な企業をわかりやすく紹介しています。
世の中は諸行無常どんなに大企業であったとしても企業戦略を一歩間違ってしますとすぐに倒産の恐れはあります。
特に現在は時代のサイクルは早いのでなおさらです。
ですので、転ばぬ先ににこの本を読んで失敗を回避しましょう。
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