今回はリースの中の1形態の「セール・アンド・リースバック」を解説します。

この内容は知ってるか知らないかの内容で難しくはありません。
しかし、知らなければ点数は取れません。
ですので、ここで理解してしっかり点数に結び付けましょう。
セール・アンド・リースバック取引

(1)セール・アンド・リースバック取引とは?
所有する物件をリース会社に売却し、リース会社からリース物件を受け取る契約をいいます。

なんでこんなメンドクサイ事するの?

工場を売却することによって現金を手にすることができますね。それでいて減価償却の恩恵を受けられます。
(2)ファイナンス・リース取引の判定
判定に関しましては通常のファイナンスリース取引の判定方法と同じです。
ただし、見積現金購入価額は実際の売却価額を用います。
(3)会計処理

ただし、リースの対象となる物件の売却に伴う損益を「長期前払費用」または「長期前受収益」として繰延処理し、リース資産の減価償却の割合に応じて減価償却費に加減して損益に計上します。
解答
解説
1,ファイナンス・リース取引の判定
(1)現在基準
リース料総額額の現在価値基準38,000※1≧実際売却価額価額38,000×90%
※1 8,777÷(1+5%)+8,777÷(1+5%)^2+8,777÷(1+5%)^3+8,777÷(1+5%)^4+8,777÷(1+5%)^5≒38,000
(2)経済的耐用年数
リース期間5年≧経済的耐用年数5年×75%
(3)判定
②リース期間5年≧経済的耐用年数5年×75%であるので、ファイナンス・リース取引に該当する。
また、所有権移転条項が付されているため所有権移転ファイナンス・リース取引に該当する。
2,リース契約時(リースバック時)
また、リース資産・負債の計上額はリース料総額の38,000と実際売却価額38,000のうちいずれか低い方となる。
3,リース料支払時
本問ではリース資産の計上額が借手の実際売却価額と等しく、かつ、貸手の計算利子率を知りえるため利子率5%となる。
4,リース資産償却時(定額法)
{リース資産38,000ー(当初の取得価額56,000×残存価額10%)}÷リースバック以降の経済的耐用年数5年=6,480
5,売却損益の繰延処理の償却額
売却損益の繰延処理額(長期前払費用)の償却額
6,財務諸表の表示
売却損益の繰延処理
次々期以降5,760(長期前払費用)⇐「固定資産」に表示
リース債務
次々期以降返済元本合計額23,902⇐「固定負債」(上記計算表参照)
6,減価償却

売却損益の繰延処理(長期前払費用)は減価償却に加算して表示されます。
減価償却6,480+長期前払費用償却1,920=8,400
まとめ
セール・アンド・リースバック取引のポイント
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