【オプション取引は○○!?】ポイントは難しく考えないことです!【簿記1級・金融商品会計】

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前回は金融商品のデリバティブを解説しました。


タカ
タカ

内容を入力してくださまだ読んでいないかたはぜひ前回を読んでください。


https://bkforworkers.com/4792/



今回は金融商品の更なる深みにある「オプション取引」を解説します。


この辺りは金融工学の分野になりますので、本質的な理解をしようとすると沼にはまってしまいます。


タカ
タカ

ですので、オプション取引の理解のポイントはあまり難しく考えないことです。


重要なことは仕訳を切れることです。オプションの本質的な理解は求められていません。


目次

概要

インサイダー取引


オプション取引とは、ある商品をある特定の時点での売却できる権利(プットオプション)・購入できる権利(コールオプション)を売買する取引をいいます。


ニャット
ニャット

購入できる権利の売買?


タカ
タカ

この辺りは深みにはまると抜け出せません。
細かい話になると金融工学になります。細かいことを気にせずこんなもんか、ぐらいでいいと思います。ただし、会計士の受験予定の方で経営学を選択する方は勉強することになります。



決済方法

証券取引のイラスト


オプション取引は「オプション料を支払う購入者」と「オプション料を受け取る売却者」に分かれます。


ニャット
ニャット

???うーん?


タカ
タカ

イメージとしては保険会社保険加入者をイメージしてください。
以下は保険を材料にして解説します。



オプションの購入者(保険加入者)
権利行使(保険の行使):オプション料(保険料)を権利行使の一部に割り当てる
権利放棄(保険行使しない):オプション料(保険料)が損失になる
権利を他に転売:オプション料の売買損益が発生


オプションの売却者(保険会社)
権利行使を受ける(保険の行使を受ける):オプション料(保険料)を取引の一部に割り当てる
権利放棄を受ける(保険行使しない):オプション料(保険料)が利益になる
権利を買い戻す:オプション料の売買損益が発生



ニャット
ニャット

基本的に保険の取引で読み替えるといいね。


タカ
タカ

そうですね。ただし、保険では権利の転売はないので、そこは注意が必要ですね。
また、オプション取引の損失・利益は両者にとって裏表の関係になってます。



ニャット
ニャット

購入者の利益は売却者の損失だし、売却者の利益は購入者の損失だね。


期末時価評価

ファイナンシャルプランナーのイラスト(お年寄り)


オプション料は期末に時価評価を行います。



タカ
タカ

難しいことを考えず、有価証券と同じように時価評価しましょう。


現物取引と先物取引

男の子を治療する保険の先生のイラスト


オプション取引は現物取引先物取引に分かれます。


現物取引…現時点の価格で契約し、支払う取引
先物取引…将来の売買についてあらかじめ現時点で約束をする取引



ニャット
ニャット

先物取引について詳しくは以下のページを参考にしてください

https://www.jpx.co.jp/learning/derivatives/futures/index.html



・現物オプションの場合は、オプション料を権利行使時に取引価格に割り当てます。
・先物オプションの場合は、差金決済の一部にオプション料を割り当てます



例題でレッツ実践!!

航空自衛隊員のイラスト(男性)



例 題以下の一連の取引の仕訳を示しなさい。
(1)当社は×1年2月1日に次のような条件の債権店頭オプション額面100,000円を購入したオプション料額面100円あたり@1.5円を現金で支払った。
権利行使日:×1年7月31日
購入したオプション:債権店頭のコールオプション(購入権)
権利行使価額:額面@100円あたり@101円
(2)当期末(×1年3月31日)における債権店頭価格は、@104円であった。このとき、購入したオプションの時価を評価した結果、その価値は@3.3円となった。
(3)期首につき、再振替仕訳を行った
(4)上記のオプションについて以下の場合に分けて仕訳を示しなさい
①オプションを@2.0円で転売した
②オプションの権利を行使し満期保有目的債権(満期日まで3年)を取得した。当日の債権店頭価格は@103円であった。
③行使期限日を迎え、オプションの権利を放棄した。


解答


解説



1)オプションの購入

オプション料100,000×@1.5円÷@100円=1,500


(2)オプションの時価評価

100,000×@3.3円÷@100円-取得価額1,500円=1,800


チェックポイント

オプションの時価評価

・オプションの時価>オプションの取得価額⇒評価益

・オプションの時価<オプションの取得価額⇒評価損


(4)①転売

転売価格100,000×@2.0円÷@100円=2,000


②権利行使

債券店頭価格:100,000×@103÷100円=103,000

権利行使価格:100,000×@101÷100円=101,000

オプション料債券購入の一部に充てる(資産を取り崩す)
オプション損益貸借差額


③権利放棄

支払ったオプション料が損失になる。


タカ
タカ

ここの(4)②、③がオプション取引を行う目的ですね。


ニャット
ニャット

どうゆうこと?


オプション取引の条件は7月31日に債券を買う権利を買っているわけです。

7月31日時点で債券の価格が上昇していれば、権利行使をして権利行使価格で債券を取得できます。

一方、債券価格が下落していれば権利を行使せず、オプション料の損失のみで済みます。


ニャット
ニャット

それで?


つまり、価格の上昇している債券を取得して売却して儲けられます。

一方、価格の下落している債券は取得しても損失になるので、オプション料の損失だけですみます。



ニャット
ニャット

上の問題なら、@103円の債券を@101円で購入できてるね。オプション料を払った意味があるね。そういう意味で、オプションは保険なんだね。


例 題以下の一連の取引の仕訳を示しなさい。
(1)当社は×1年2月1日に以下のような条件の株式指数オプション1単位を購入しオプション料を現金で支払った。
権利行使日:×1年7月31日
購入オプション:株価指数のコールオプション(購入権)
権利行使価格:@1,000円
オプション料::@50円
(2)当期末(×1年3月31日)における株式指数は、@1,200円であった。この時の購入したオプションの時価を評価した結果、その価値は215円であった。
(3)期首につき、再振替仕訳を行った。
(4)上記のオプションについて以下のケースに分けて仕訳を示せ。
①オプションを@220円で転売し、代金は当座預金に入金した。
②オプションの権利をこう押しした、当日の株価指数は@1,250円であった。
③行使期限日を迎え、オプションの権利を放棄した。


解答


解説

(1)オプションの購入

オプション料:@50×1単位=50


(2)時価評価

(オプション時価@215-オプション料@50)×1単位=評価益165


(4)①転売

(オプション価格@220-オプション料@50)×1単位=売却益170


②権利行使


株価指数オプションの場合、現物は引き取らず、差金決済を行う。


(当日の株価指数@1,250-オプション行使価格@1,000)×1単位=入金額250


③権利放棄

権利放棄しても損失の最大額はオプション料にのみとなる。

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