前回は連結会計の総合問題を出題しました。
https://bkforworkers.com/5328/

解けましたでしょうか?
今回の問題でややこしいのは建物の時価評価で評価差額を計上することでした。

この点が問題でお邪魔虫でしたね。
ほかの点については以前学習した内容です。
しっかり復習しましょう。
https://bkforworkers.com/2510/
解答

- 難易度の目安
- 難易度A:修正仕訳をそのまま調整すれば解答できる内容
- 難易度B:タイムテーブルが必須な解答、または比較的難易度の高い内容
- 難易度C:捨て問
- (難易度のないものは修正なしの内容)
解答
解説

1,A社にかかる連結修正仕訳
A社のタイムテーブル
のれんの計算の仕方

のれんは電卓のみで計算しましょう。

解答がマイナスなら「負ののれん」だよ。

今回のややこしいのは時価評価した建物が新たに減価償却が必要になることです。
建物評価差額:24,000×0.9÷残存耐用年数20年(25年-5年※)=1,080@1年
※ ×1年度~×5年度の5年間
建物
【A社の個別財務諸表の修正】
①評価差額の計上
×6年3月31日時価368,000-簿価328,000=40,000
②×6年度~×7年度の評価差額の実現
24,000×0.9×2年÷20年(残存耐用年数※)=3,600
※耐用年数25年-経過年数5年(×1年から×6年)
③過年度の評価差額の利益剰余金への振り替え
④×8年度における評価差額の実現
⑤まとめ
土地
【A社の個別財務諸表の修正】
①×5年度評価差額
②×8年度の土地売却の修正仕訳
評価差額:15,000×売却簿価102,000÷時価評価した土地全体の簿価510,000=3,000
③まとめ
資本連結
①開始仕訳
非支配株主持分:A社支配時資本合計789,000×非支配持分25%=197,250
②利益剰余金の振り替え
×5年度から×8年度の利益剰余金変動額:170,000×非支配持分25%=42,500
③過年度の建物評価差額の利益剰余金へ振り替え
④過年度建物評価差額の実現にかかる非支配株主への振り替え
※過年度評価差額実現額2,160×25%=540
⑤まとめ
非支配株主持分:956,840×25%=239,210(こっちで計算しましょう)
または、197,250+42,500-540
利益剰余金 :貸借差額(必要ならこっちで計算しましょう)
または、150,000+42,5002,160-540

利益剰余金に関しては最初から捨て問として捉えましょう。
当期純利益の振り替え
個別上の利益剰余金(100,000-1,800-5,000)×25%=23,300
剰余金の配当
受取利息配当金:30,000×P社持分75%=22,500
非支配株主持分:30,000×25%=7,500
2,B社に係る修正仕訳
タイムテーブル
のれんの計算の仕方
①開始仕訳
非支配株主持分:250,000×45%=112,500
②当期純利益の振り替え
③のれんの償却
④まとめ
当期純利益の按分
※ 40,000×被支配株主持分45%=18,000
商品売買(ダウンストリーム)
①売上と売上原価の相殺
②未実現損益の調整
当期末利益額:45,000×(1-当期利益率70%)=13,500
当期首利益額:32,400×(1-当期利益率75%)=8,100
未実現利益の考え方
①当期末の棚卸高は棚卸資産に利益が含まれている⇒棚卸資産を減らす⇒相手勘定は売上原価
②売上原価を利益剰余金に書き換える
③反対仕訳+売上原価を利益剰余金に書き換える

仕訳を覚えるのではなく流れを理解しましょう。
③売上債権と仕入債務の相殺消去
④貸倒引当金の調整
貸倒引当金:当期末残高45,000×2%=900
利益剰余金:当期首残高30,000×2%=600
貸倒繰入額:(45,000-30,000)×2%=300
解き方テクニック

利益剰余金と非支配株主持分の解き方は以下を参照にしてください

修正仕訳を以下のように直接記入できると早く解けますよ。
チェックポイント
連結では得点を多くとるという攻めの解答より、失点を最小限に抑える守りの解答を心がげましょう。

点を稼ぐのはほかで稼ぎましょう!

今回は利益剰余金・非支配株主持分・減価償却累計額・減価償却以外がとければ大丈夫です。

今回の内容は長くなりましたので、pdfを解説編とテクニック編に分けました。
必要な方はダウンロードしてください。
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