2級までは資本金の仕訳はあまり難しい内容が出てきませんでした。
資本金についてしっかり理解していない方は意外と多いのではないでしょうか?
実は資本金は会計というより会社法との兼ね合いが強い部分です。

ですので、理屈を押さえれば資本金の仕訳が見えてきます。

SSとの関係もあるし落とせない内容だね。
今回は資本金について解説します。
資本金が登場する場面

会社設立の手続き
株式会社においては設立者や株主による一定の出資額が必要になります。

いわゆる元手だね。

そうです。会社法上は会社はこの出資者のものとなります。
チェックポイント
「株主=会社の所有者」という考え方はのちの組織再編でも重要になってきます!
株式の発行
設立時のみだけでなく、一定の条件内であれば、株主総会の決議によって株式を新たに発行できます(これを増資といいます。)
一方、株式の発行額を減少させることもできます。(これは減資といいます。)

減資?なんでそんなことすんの?

理由は様々ですが、最近では日本旅行の減資がニュースになりました。
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20211111-OYT1T50150/

これは減資することで法人税の恩恵を受けられるようです。その一方で会社としての元手は低下するので会社の信用度は低下するようです。
2級でも解説しましたが、株式を発行したときは払込の全額を「資本金」とすることが原則ですが、払込額の1/2を超えない額を資本金としないで、資本準備金とすることができます。
https://bkforworkers.com/2271/

資本準備金ってなんだっけ?
資本金を取り崩すと会社の信用低下につながる恐れがあります。そのときはまず、資本準備金を取り崩すことができます。

ですので、資本金のためのバッファーといったイメージでしょうか?
別段預金

新株を発行する際に株主にになるのは以下の場合が考えられます。
- 払込期日を定めた場合、払込期日から株主となります。
- 払込期間を定めた場合、払込日に株主になります。

払込期日が定められている場合、払込日は関係なく、払込期日に株主になります。
払込時期を定めた場合の処理
- 払込期日前に払い込まれた場合⇒「別段預金」で処理
- 払込期日の処理⇒「別段預金」を「資本金」・「資本準備金」として振替る
なお、払込期日を迎えるまえに決算日を迎えた場合はBS上の株主資本に以下のように表示します。
解答
資本剰余金の取引

資本剰余金は資本取引の差額から生じるものですが以下のような取引が存在します。
資本剰余金を原資とした配当を行う場合
解答
チェックポイント
資本剰余金を原資として配当する場合は配当額の1/10を「資本準備金」として積み立てる
資本剰余金を原資とする配当を受けた場合の処理
①売買目的有価証券の場合
受け取った配当額について「受取配当金」として処理します。
②売買目的有価証券以外の場合
受け取った配当額について有価証券の簿価を減額させる。

考え方としては払込資本の払い戻しなので、会社の価値の減少=有価証券の価値の減少ですね。
解答
①
②
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