【簿記2級】総合原価計算の難易度を上げる減損・仕損を解説します!

工業簿記(解説)

いままで様々な総合原価計算を解説しましたが、全てミスをすることなく製品を完成させていました。


しかしながら実際はミスをしたり、失敗品が発生したりします。


今回は、このような場合の計算を解説したいと思います。


ニャット
ニャット

たしかに、失敗しないのは考えにくいもんね。

タカ
タカ

いままで総合原価計算は単純な計算が多かったですが、この失敗を考慮すると難易度が上がってしまいます。

そのため工業簿記でしっかり点を獲得するために今回の内容をしっかり理解しましょう。


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仕損・減損の処理


原価計算上、「失敗」というのは以下の2つに分けられます。


仕損…製造過程で合格基準に適合しない製品をいいます。
   (失敗品)仕損は有形であり、無価値・有価値の場合もある。
減損減損とは加工中に減少した材料をいう。(例 蒸発・紛散)
    無形であり無価値である。


    


この仕損品の原価仕損費減損の原価減損費といいます。


この減損費・仕損費については一定量ならば発生しても問題ないですが、一定以上の発生について異常な発生と考え非原価と考えられます。



正常仕損 ・正常減損の処理


 原価計算上は正常減損正常減損については良品(仕掛品と完成品)を作成するために不可避な減価と考えて良品に負担させます。


 この場合、仕損 ・減損の発生した加工進捗度によって良品への負担方法が変わってきます。


完成品負担


正常仕損 ・正常減損の発生時点月末の加工進捗度より遅い時点の場合は完成品のみに負担させます。



仮に加工進捗度100%地点で仕損費が発生したとするならば、加工進捗度60%の月末仕掛品では仕損は発生していないと考えられるため、完成品にのみ仕損費を負担させます。


計算方法:完成品にのみ負担させる⇒完成品として完成品原価にふくめる


例 以下の資料にもとづいて、平均法により月末仕掛品、完成品総合原価を計算しなさい。

【資料】

1、生産データ

(  )内の数値は加工進捗度を示す。

2,原価データ

3その他

①材料はすべて始点で投入している
②仕損 は工程の終点で発生している。すべて正常仕損である。


解説

月末仕掛品

材料費:(2,280+7,020)×50個÷(20個+135個)=3,000
加工費:(1,020+6,000)×30個÷(10個+125個)=1,560
合 計:3,000+1,560=4,560


完成品原価

材料費:(2,280+7,020)×105個÷(20個+135個)=6,300
加工費:(1,020+6,000)×105個÷(10個+125個)=5,460
合 計:6,300+5,460=11,760



両者負担の場合


正常負担の発生点が、月末仕掛品の可能進捗度よりも前の場合、正常仕損費は、完成品と月末仕掛品の両者に負担させます。



仕損費発生の加工費進捗度が40%、月末仕掛品の加工進捗度が60%であるならば、40%の時点で仕損が発生しているため仕掛品、完成品の両者から仕損が発生していると考えられます。よって両者負担になります。


計算方法:両者負担仕損分はなかったものとして考える



例 以下の資料にもとづき、①平均法と②先入先出法で月末仕掛品及び完成品原価を求めなさい。

1、生産データ

2、原価データ

3、その他
①( )内は加工進捗度をしめす
②材料は始点で投入される


解答

解説

原価データの整理

①平均法

月末仕掛品
材料費:(9,440+209,440)×960㎏÷(13,440㎏+960㎏)=14,592
加工費:(12,384+229,152)×768㎏÷(13,440㎏+768㎏)=13,056


完成品原価
材料費:(9,440+209,440)×13,440㎏÷(13,440㎏+960㎏)=204,288 
加工費:(12,384+229,152)×13,440㎏÷(13,440㎏+768㎏)=228,480
または差額


②先入先出法

月末仕掛品
材料費:209,440×960㎏÷(13,440㎏+960㎏-800㎏)※=14,784
※完成品+月末-月初=仕損 を無視した当月投入量⇒これをもとに計算する。
加工費:229,152×768㎏÷(13,440㎏+768㎏-320㎏)※=12,672
※完成品+月末-月初=仕損 を無視した当月投入量


完成品

材料費:9,440+209,440-14,784=204,096
加工費:12,384+229,152-12,672=228,864


※参考

材料費:9,440+209,440×(13,440㎏-800㎏)÷(13,440㎏+960㎏-800㎏)=204,096
加工費:12,384+229,152×(13,440㎏-320㎏)÷(13,440㎏+768㎏-320㎏)=228,864


ニャット
ニャット

期首仕掛品には負担させる場合はないの?

タカ
タカ

期首仕掛品は前月に仕損発生済であると仮定しているため当月の期首仕掛品からは当月に仕損は発生しないと考えます。


両者負担の解説


ニャット
ニャット

どうして仕損を無視することが両者負担になるの?

タカ
タカ

では、簡単な例で説明しましょう。


AくんとBくんとCくんがみかん6個を3人で山分けするとしましょう。
この場合AくんとBくんCくんは何個ずつみかんを受け取れるでしょう?


ニャット
ニャット

みかんは6個だから一人2個ずつ受け取れるね。

タカ
タカ

そうですね。

仮に以下の条件を付けくわえるとどうでしょう?


もし、Cくんが急用でその場を抜けてしまったらAくんとBくんは何個ずつみかんを受け取れるでしょう?


ニャット
ニャット

みかんは6個で2人だから3個ずつだね。

タカ
タカ

そうです。結果的にAくんとBくんは間接的にCくんが受け取るはずだったみかんを結果的に受け取っていることになりますね。


負担関係


ニャット
ニャット

なるほど、原価計算の場合は仕損品が負担するはずだった原価結果的に完成品と月末仕掛品が負担していることになるのか。

まとめ

負担関係

正常仕損 ・正常減損の発生時点が月末の加工進捗度より遅い時点の場合は完成品のみに負担させます。
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正常負担の発生点が、月末仕掛品の可能進捗度よりも前の場合、正常仕損費は、完成品と月末仕掛品の両者に負担させます。
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計算方法

・完成品にのみ負担させる⇒完成品として完成品原価にふくめる
・両者負担仕損分はなかったものとして考える

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