【簿記1級】「セール・アンド・リースバック」知ってるか知らないかで点数が大きく変わります。

1級 商業簿記

今回はリースの中の1形態の「セール・アンド・リースバック」を解説します。


タカ
タカ

この内容は知ってるか知らないかの内容で難しくはありません。
しかし、知らなければ点数は取れません。



ですので、ここで理解してしっかり点数に結び付けましょう。


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セール・アンド・リースバック取引

バックドロップをしているレスラーのイラスト


(1)セール・アンド・リースバック取引とは?


所有する物件をリース会社に売却し、リース会社からリース物件を受け取る契約をいいます。



ニャット
ニャット

なんでこんなメンドクサイ事するの?

タカ
タカ

工場を売却することによって現金を手にすることができますね。それでいて減価償却の恩恵を受けられます。


(2)ファイナンス・リース取引の判定


判定に関しましては通常のファイナンスリース取引の判定方法と同じです。


ただし、見積現金購入価額は実際の売却価額を用います。


(3)会計処理


セール・アンド・リースバック取引がファイナンス・リース取引に該当する場合借手は基本的には通常のファイナンス・リース取引と同様に処理します。


タカ
タカ

ただし、リースの対象となる物件の売却に伴う損益を「長期前払費用」または「長期前受収益」として繰延処理し、リース資産の減価償却の割合に応じて減価償却費に加減して損益に計上します。


例 題

当期(×1年4月1日から×2年3月31日まで)について下記の資料にもとづき、一連の取引を示せ、また貸借対照表・損益計算書の一部を完成させよ。

①×1年4月1日に自己の所有する工場機械を新規の設備投資の資金を得る目的でリース会社に売却しその全部をリースバックした。リースバックに掛る条件は以下の通りである。なお、当該契約にはリース期間契約時にリース物件が無償で譲渡される所有権移転条項がふされている。

ⅰ対象資産の内容
取得日   ×0年4月1日
取得価額  56,000円
自己の固定資産の減価償却
償却方法  定額法
取得時の経済的耐用年数 6年
残存価額  10年
×1年4月1日の簿価 47,600円

ⅱセール・アンド・リースバックの条件
リース取引開始日 ×1年4月1日
売却価額 38,000円
解約不可能なリース期間 5年
年間リース料 8,777円
リース料総額 43,885円
リース料の支払い 年1回3月31日後払い
なお、当該リース物件のリースバック以降の経済的耐用年数は5年と見積もられる。またリース会社の計算利子率は年5%である。

②×2年3月31日にリース料8,777円小切手で支払った。

③×2年3月31日決算を迎えた。リース資産については定額法・残存価額はなしとして減価償却を行う。


解答

解説

1,ファイナンス・リース取引の判定

(1)現在基準

リース料総額額の現在価値基準38,000※1≧実際売却価額価額38,000×90%

※1 8,777÷(1+5%)+8,777÷(1+5%)^2+8,777÷(1+5%)^3+8,777÷(1+5%)^4+8,777÷(1+5%)^5≒38,000


(2)経済的耐用年数

リース期間5年≧経済的耐用年数5年×75%


(3)判定

①リース料総額額の現在価値基準38,000≧見積現金購入価額38,000×90%であり
②リース期間5年≧経済的耐用年数5年×75%であるので、ファイナンス・リース取引に該当する。

また、所有権移転条項が付されているため所有権移転ファイナンス・リース取引に該当する。



2,リース契約時(リースバック時)


リースの対象の資産を売却した場合まず、資産の売却の仕訳をし、損失は「長期前払費用」として処理する。(利益ならば「長期前受収益」で処理します)


また、リース資産・負債の計上額リース料総額の38,000と実際売却価額38,000うちいずれか低い方となる。


3,リース料支払時


本問ではリース資産の計上額が借手の実際売却価額と等しく、かつ、貸手の計算利子率を知りえるため利子率5%となる。



4,リース資産償却時(定額法)


{リース資産38,000ー(当初の取得価額56,000×残存価額10%)}÷リースバック以降の経済的耐用年数5年=6,480


5,売却損益の繰延処理の償却額


売却損益の繰延処理額(長期前払費用)の償却額

売却損の繰延処理額9,600÷リースバック以降の経済的耐用年数60ヶ月×当期償却12か月=1,920(長期前払費用償却


売却損の繰延処理額9,600÷リースバック以降の経済的耐用年数60ヶ月×次期償却12か月=1,920(前払費用


売却損の繰延処理額9,600÷リースバック以降の経済的耐用年数60ヶ月×次々期以降36ヶ月=5,760(長期前払費用


6,財務諸表の表示


売却損益の繰延処理

次期償却1,920(前払費用)⇐「流動資産」に表示
次々期以降5,760(長期前払費用)⇐「固定資産」に表示


リース債務

次期元本返済額7,221⇐「流動負債」(上記計算表参照
次々期以降返済元本合計額23,902⇐「固定負債」(上記計算表参照


6,減価償却


タカ
タカ

売却損益の繰延処理(長期前払費用)は減価償却に加算して表示されます。


減価償却6,480+長期前払費用償却1,920=8,400


まとめ

セール・アンド・リースバック取引ポイント

リースの対象となる物件の売却に伴う損益を「長期前払費用」または「長期前受収益」として繰延処理し、リース資産の減価償却の割合に応じて減価償却費に加減して損益に計上
リース資産・負債の計上額リース料総額と実際売却価額うちいずれか低い方を計上
・セール・アンド・リースバック取引がファイナンス・リース取引に該当する場合借手は基本的には通常のファイナンス・リース取引と同様に処理

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