【理解してる?】「ヘッジ会計の終了」を理解する2つのポイント!

1級 商業簿記

前回は繰延ヘッジ損益の繰延時の処理について解説しました。



ニャット
ニャット

まだ、読んでいない方は前回をよんでから、今回を読んでくださいね。


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今回は、この「繰延ヘッジ会計の終了時の処理」について解説します。



ヘッジ会計は、「ヘッジ対象とヘッジ手段の損益を同じ期間に認識」するためのものでした。



タカ
タカ

では具体的にはそれはどのよう処理するのか見ていきましょう。


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ヘッジ会計の終了

映画の「おしまい」のイラスト


ヘッジ会計の終了の処理


ヘッジ会計が終了する場合は以下の場合です。


ヘッジ会計の終了時の2点
・「ヘッジ対象」が消滅したとき
・「ヘッジ対象」である予定取引が実行されないことが明らかになったとき



ヘッジ会計の終了時の処理


ヘッジ会計の終了時には以下のような処理が必要になります。


・ヘッジ会計が終了する場合には、繰り延べられていたヘッジ手段に係る損益または評価損益を当期の損益として処理する。


・繰延ヘッジ損益を当期の損益として処理する場合の勘定科目は、ヘッジ対象について損益が認識されているときの用いられた勘定科目を使用する。



タカ
タカ

少しややこしいので、まとめると以下のようになります。
下の2つは特に重要です。


チェックポイント

・「ヘッジ対象」の消滅⇒繰り延べていた「ヘッジ手段」の損益の実現

・「ヘッジ手段」の実現⇒「ヘッジ対象」の損益と同じ科目を使用



ニャット
ニャット

ヘッジ手段の実現についてはヘッジ対象の科目に合わせるっていうのが特徴的だね。


タカ
タカ

このあたりは、実物を見ないと理解できないと思います。
例題を通して理解しましょう。



例題

スパイのイラスト(女性)


例 題以下の【条件】に基づき各【取引】を「その他有価証券」「債券先物取引」に分けて仕訳を示せ。なお、実効税率は40%とする軽効果会計を適用する。なお、当社は暦年決算を採用している。

【条件】
①×1年10月現在、長期国債100,000円(取得原価100,000円、額面100,000円、単価100円)をその他有価証券として保有している。
②その他有価証券の時価評価を行う場合、全部純資産直入法によること。
③実効税率は40%とする税効果会計を適用する。
④以下の取引は、ヘッジ会計を適用する要件を満たしている。
⑤繰延ヘッジの方法によるヘッジ会計を適用する。

【取引】
①長期金利の上昇が予想されるため、×1年10月31日、債券先物100,000円を単価101円で売り建て、先物証拠金36,000円を差し入れた。
②×1年12月31日、決算日を迎えた。
1,その他有価証券の時価は、単価100円あたり99円である。
2,債券先物の時価は、単価100円あたり99.4円である。
③×2年1月1日、期首となり必要な処理を行った。
④×2年1月31日、長期国債100,000円を単価98.2円で売却した。
⑤×2年1月31日、債券先物を単価98円で買戻し、先物取引証拠金とともに代金を受け取った。


解答

その他有価証券(ヘッジ対象)

解答

券先物取引の処理(ヘッジ手段)

解答

解説


タカ
タカ

このヘッジ取引については「ヘッジ対象」と「ヘッジ手段」の仕訳が並行しておこるため、今書いている仕訳が「ヘッジ対象なのかヘッジ手段なのかをしっかり理解しましょう



ニャット
ニャット

ヘッジ対象」と「ヘッジ手段」をしっかり意識することがヘッジ会計の攻略に大事なことだね


ヘッジ会計の対象になるもの⇒ヘッジ対象
ヘッジ会計の手段になるもの⇒ヘッジ手段




タイムテーブル



その他有価証券


①×1年10月31日

債券先物を売り建てたのみなので、有価証券にかかる仕訳なし。


②×1年12月31日

有価証券の時価評価をする

仕訳


タカ
タカ

税効果を忘れないように!


③×2年1月1日

洗い替えを行うため、再振替仕訳を行う。


④×2年1月31日

国債の売却

仕訳


債券先物の取引


①×1年10月31日

先物取引証拠金の差入

仕訳


②×1年12月31日

デリバティブの時価評価

仕訳


タカ
タカ

ヘッジ手段の損益を実現させないために「繰延ヘッジ利益」で繰延べます。


③×2年1月1日

仕訳なし。


ただし以下のような再振替仕訳を行う方法もある。その場合は④の処理が異なる。

仕訳


④×2年1月31日

国債の売却


ヘッジ対象の国債が売却されたため、ヘッジ手段の債券先物の効果を実現させる必要がある。



×2年1月1日から1月31日までの時価変動分

仕訳


債券先物の損益実現


ヘッジ手段としての債券先物の損益を認識+ヘッジ手段の損益科目に加減算する。



仕訳



チェックポイント

ヘッジ手段(債券先物)の損益はヘッジ対象(投資有価証券売却損益)の損益科目で相殺します。



この仕訳によってこの取引の損益は以下のようになります。

その他有価証券:△18,000
債券先物   :+30,000
合  計   :+12,000



ニャット
ニャット

目的の取引ではマイナスだけど、ヘッジ取引でトータルプラスになったね。


タカ
タカ

保険が役に立った取引ですね。もちろんこの逆のパターンも考えられます。



期首③に再振替仕訳を行っている場合は以下のようになる


仕訳


タカ
タカ

「債券先物利益」全額を「投資有価証券売却損益」に振替えましょう。


⑤×2年1月31日

債券先物の決済


ヘッジ手段(デリバティブ)の決済は差金決済ということに気を付けましょう。



1,000,000×(売り立て時価@101-買戻し時価@98)=30,000

(売り立てなので、時価評価の低下は評価益になる。)



(参考)ヘッジ会計を適用しない場合は以下のようになります。

参考


タカ
タカ

今回の問題はすこしややこしいのでこちらから問題と解答をダウンロードできます。復習に役立ててください。

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