簿記をご存じない方は、「簿記」という言葉を聞いたときにこんな疑問を抱くのではないでしょうか?

「簿記って言葉は聞いたことはあるけど実際なにするの?」
「簿記ができたらなにが出来るの?」
「経理業務を行うのに簿記の知識が必要なの?」
結論をいいますと
・簿記は「財務諸表」作成のため
・経理業務を行うのには、簿記の知識は必須です。
簿記は日々の取引を「仕訳」という一定のルールに従って帳簿に記載します。
これを短縮して簿記といいます。
つまり、記帳のルールを知らなければ経理業務を行うことは出来ません。
簿記の目的は?

日々の「仕訳」を記入したとして最終的な目的はなんでしょうか?

「財務諸表」とは簡単に言ってしまえば、企業の1年間の成績表です。
財務諸表の内容は主に以下の2つです
「損益計算書」
「損益計算書」は損と益を集計し利益を計算する書類です。
簡単に言えば企業が1年間でいくら儲けたかを明らかにする書類です。

○○会社の当期の利益はいくらです。というニュースなんかを聞いたことがあると思いますが、その情報は「損益計算書」からです。
ちなみに、「損益計算書」は英語で「Profit and Loss Statement」というので「PL」とも言われます。このブログでも今後は「PL」を使います。
「貸借対照表」
「貸借対照表」とは資産と負債、純資産の内容を明らかにする書類です。

ざっくりといってしまえば、財産目録のようなものです。
この書類は「バランスシート(Balance Sheet)」と言われているので「BS」とも言われています。このブログでも今後は「BS」を使います。
つまり、我々の勉強の最終目的は「財務諸表」を作成することです。
仕訳のルール

仕訳は借方(かりかた)と貸方(かしかた)の2列から出来でいます。
借方は左側に書き、貸方は右側に書きます。
借方の「り」の払いが左を向いているから左側に書いて、
貸方の「し」の払いが右を向いているから右側に書きます。

この覚え方は今まで簿記の勉強をしてきたであろう全ての方が見たことのある有名な覚え方だと思います。
具体的には以下のように書きます。
↑ ↑ ↑
勘定科目 金額(円単位) 金額(円単位)

また、(借)/(貸)と略してもかまいません。
(借方)と(貸方)の合計金額が一致するということです。
後々2段になるような仕訳も出てきます。
例えば
売掛金 5,000
といったものです。
これらは借方と貸方の合計が10,000円で一致しています。

ところで、「勘定科目」ってなに?

仕訳を書く際に用いる金額を表す内容です。
上の仕訳でしたら「現金」とか「売上」といった内容です。
全ての勘定科目は「資産」「負債」「収益」「費用」「純資産」の5種類に分類されます。
①「円」は仕訳に書かないこと。
②千円単位や万円単位ではなく1円単位で書くこと。
③千円単位でコンマをいれること。

世の中の全ての経済活動がこの借方と貸方だけで書き表せるの?

そうです。これはすごいと思いませんか?
自分が初めて仕訳を知ったときはこのすごさに感動した覚えがあります。
仕訳と財務諸表の関係性

仕訳を記入する際、(資産)が増える場合は借方に記入します。また収益(儲け)が発生する場合は貸方に記入します。
上の仕訳は現金という資産10,000円が増加し、その理由は売上という収益が10,000円発生したという意味になります。
一方、負債が増加した場合は貸方に記入し、費用(コスト)が発生した場合は借方に記入します。
上の仕訳は買掛金という負債が10,000円増加し、その理由は仕入という費用が10,000円発生したからという意味です。

いきなり「買掛金」という新たな言葉が出てきましたが、
ここでは「そんなのもあるのか」という程度で結構です。

また、純資産についても貸方に集計します。
借方⇒資産、費用 貸方⇒負債、収益、純資産
勘定科目と財務諸表の関係性


借方、貸方の仕訳の形がそのまま財務諸表の形になっていますね

そうです。そこが複式簿記のすばらしいところです。

複式簿記?

現在勉強している簿記です。借方と貸方に分かれている簿記です。
他に、単式簿記があります。これは家計簿がそうですね。

つまり仕訳を積み重ねていけばそのまま財務諸表が出来上がってくということです。
・資産=負債+純資産
・利益=収益-費用

基本的に利益は差額概念ですので、仕訳の勘定科目にはありません。
各科目の主な内容は次のようなものがあります。
負債の主な科目…買掛金、借入金
収益の主な科目…売上、受取手数料、受取配当金
支出の主な科目…仕入、発送費、支払手数料
純資産の主な科目…資本金

基本的に「資産」は増えてうれしいもの、「負債」は増えて悲しいものという認識でOKだと思います。

そのほかの科目についてはおいおいやっていきたいと思います。
では、次回から本格的に仕訳の内容に入って行きたいと思います。
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