前回は資産除去債務の基礎的な内容から解説しました。

まだ、読んでいない方はまず前回から読んでね。
https://bkforworkers.com/4533/
今回は資産除去債務の応用編として「複数の固定資産から構成されている場合」+「敷金の処理」について解説します。
今回は解説の内容は多少イカツイですが、計算内容は簡単ですので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
資産除去債務が複数の有形固定資産から構成されている場合

資産除去債務が複数の有形固定資産から構成される場合、「単独では資産除去債務を有さず、より短い周期で更新されるほかの資産」が含まれる場合があります。
この場合は以下のように処理します。
チェックポイント
【対 象】単独で資産除去債務を有しないで主たる資産より短い周期で更新される資産
【処理1】資産の除去にかかる費用(法的義務なし)を主たる資産の資産除去債務に加算する
【処理2】主たる資産の短い周期で再取得される際の除去費用は資産除去債務に加算しない。主たる資産と当時に除去される際に発生する費用のみ加算する

ここの内容はすこしややこしいね。
気を付けよう。
解答
解説
①機械装置Aは除去義務がある一方、機械装置Bにはない。またAの除去に伴い機械装置Bが同時に除去される。
そのため機械装置A・Bの当初取得価額に資産除去債務を一括して見積り、機械装置Aの簿価に加える。(上記の(1)に該当)
参照仕訳
(機械装置A)18,900※1 (現金預金) 27,000
(機械装置B)9,000 (資産除去債務) 900※2
※1 18,000(Aの取得価額)+600(Aの資産除去債務)+300(Bの資産除去債務)=18,900
※2 600(Aの資産除去債務)+300(Bの資産除去債務)=900
②減価償却
機械装置A 18,900÷9年=2,100
機械装置B 9,000÷3年=3,000
2,100+3,000=5,100

減価償却の計算に注意!
当然ですが、機械装置AとBで耐用年数は異なります。
③機械装置Bの再取得
1,減価償却
9,000÷3年=3,000
2,更新
機械装置Aを除去するまでの間に行われる短い周期での機械装置Bの除去及び再取得にかかる支出は資産除去債務の対象にならない。 (上記の(3)に該当)
④主たる機械装置の除去
1,減価償却
上の②と同じです
2,除去
除去にかかる支出は主たる資産である機械装置Aの除去が行われたので資産除去債務の除去の対象となる支出となる。

機械装置Aの資産除去債務の額に機械装置Bの除去額を足しただけですね。
これは、知ってるか知らないかだけの問題です。こうゆう問題ではしっかり点を稼ぎましょう。
敷金の処理

建物の賃借契約について、現状回復が契約上要求されることがあるため、資産除去債務を計上する必要がある場合があります。
敷金を資産計上するときは、最終的に回収が見込めないと認められる敷金の額をみつもり、そのうち当期の負担に属する金額を費用計上することができます。

マンションやアパートを借りる際に家賃の〇月分の敷金を要求されることがおおいですね。

要は借主が部屋を破損した場合に使用する原状回復のための担保金だね。
この場合の費用処理期間は同種の賃借建物等への平均的な入居期間などの合理的な償却期間に基づいて算定します。
チェックポイント
✔敷金は原状回復を目的としたもの⇒資産除去債務に該当
✔資産除去債務の計上に変えて、「敷金」を資産計上できる。
✔「敷金」のうち回収が見込まれない部分のみ合理的な償却期間で償却し、費用計上する。

敷金には関西方式と関東方式があるみたいですね。
私はあまり詳しくないですが、
解答
解説
①敷金を資産計上。
②敷金のうち、変換が見込まれない部分について償却を行う。
500(変換が認められない部分)÷5年(平均的な入居期間)=100
まとめ
【処理1】資産の除去にかかる費用(法的義務なし)を主たる資産の資産除去債務に加算する
【処理2】主たる資産の短い周期で再取得される際の除去費用は資産除去債務に加算しない。主たる資産と当時に除去される際に発生する費用のみ加算する
敷金の処理
✔「敷金」のうち回収が見込まれない部分のみ合理的な償却期間で償却し、費用計上する。
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