【連結で追加取得するとなぜ資本剰余金が発生する?】理由は〇〇取引だからです!仕訳の本質を理解しましょう!!(簿記1級)

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簿記1級の連結の勉強をしている方で多くの方は以下のような疑問を持つのではないでしょうか?


ニャット

追加取得したらなんで「のれん」じゃなくで「資本剰余金」なの?どっからこれは出てきたの?


タカ

その疑問はもっともです。


実は「資本剰余金」が発生するは取引の本質を理解することでこの疑問を解くことができます。


また、試験本番でも迷うことなく仕訳を書くことができます。


ぜひ、最後まで読んでください!

目次

子会社の支配獲得時の資産・負債の時価 評価

水中のワニのイラスト


連結財務諸表を作成する場合、支配獲得する子会社の資産負債を時価評価する必要があります。


ポイントは子会社の個別財務諸表の修正として時価評価を行います。


子会社の資産・負債の時価評価

※1 資産・負債の時価-資産・負債の簿価
※2 差額



タカ

子会社を資産・負債を新たに取得したと考えれば、資産や負債は時価で取得するので、時価評価をします。


子会社株式の追加取得

熱波師のイラスト(男性)


2級までは子会社株式を1回だけ取得するだけでしたが、1級では複数回取得した場合の処理について学習します。


支配獲得後の株式の追加の考え方

連結上の処理を考える場合以下のステップで考えましょう


STEP
個別上の処理

親会社による子会社株式の取得

STEP
連結上あるべき姿

連結上のあるべき姿とは?

STEP
連結修正仕訳

考え方は非支配株主持分のマイナス+子会社純資産の増加


①個別上の処理

親会社が子会社株式を市場で取得した場合、親会社(P社)で以下のような仕訳が考えられます。

個別上の処理


②連結上あるべき姿

親会社が子会社の株式を取得した場合、連結上のあるべき姿は以下のように考えられます。


・子会社株式の取得⇒取得割合分の非支配株主持分のマイナス+子会社純資産の増加

仕訳で表すと以下のようになります。

連結上あるべき姿



③連結修正仕訳

②と③の仕訳ではS社株式と非支配株主持分が余計なので修正仕訳で相殺消去します。

連結修正仕訳


タカ

仕訳の意味から考えるとわかりやすいですよ。


親会社による子会社株式の取得のポイント

       親会社のS社株式のマイナス+取得割合の非支配株主持分のマイナス


なぜ連結上、追加取得をすると資本剰余金が生じるのか?


追加取得分と追加投資額に差額が出た場合は差額を「資本剰余金」として処理します。

追加取得・資本剰余金仕訳


※1 差額


ニャット

なんで「資本剰余金」なの?のれんにならないの?


タカ

追加取得については非支配株主との「資本取引」に該当するので「資本剰余金」で処理します。


新規連結と追加取得の違いのまとめ

新規連結と追加取得の違いのまとめ

親会社による子会社株式の取得の考え方

親会社による子会社株式の取得の取引⇒資本取引

仕訳の考え方⇒親会社のS社株式のマイナス+取得割合の非支配株主持ち分のマイナス+差額は資本剰余金


修正仕訳の考え方

修正仕訳の内容


例題

P社は✕2年12月31日現在S社を子会社として支配し、連結財務諸表を作成している。
そこで、以下の【資料】を参考にし、✕2年度における個別財務諸表の修正仕訳及びS社株式の追加株式取得にかかわる連結修正仕訳を示しなさい。なお、税効果会計は考慮しない。

【資料】

1,P社のS社株式取得状況
✕0年12月31日 S社の発行済株式数の60%の株式を31,500円で購入した。
✕2年12月31日 S社の発行済株式数の20%の株式を14,600円で購入した。

2,S社にかかわる事項
(1)純資産の推移

S社の純資産の推移


(2)資産負債の時価評価にかかわる事項
✕0年12月31日における総資産の簿価は70,000円であり時価は72,000円であった。
✕2年12月31日における総資産の簿価は103,000円であり時価は110,000円であった。

(3)S社の損益計算書
当期純利益:18,000円

(4)剰余金の配当に関する事項
利益準備金:500円 配当金:5,000円

3,のれんは発生年度のよく年間から10年間で均等償却をするものとする。

解答

(個別財務諸表の修正)

個別財務諸表の修正


タカ

資産・負債の時価評価は支配獲得時のみ行います。
追加取得時は時価評価をしないことに気をつけましょう!!


(連結財務諸表の修正<S社株式の追加取得>)

解説

①タイムテーブル

タイムテーブル


タイムテーブルの書き方。のれんの計算の仕方は以下のページを参考にしてください。


(個別財務諸表の修正)

諸資産の時価72,000-諸資産の簿価70,000=2,000


(連結財務諸表作成)

のれんの計算:31,500-(35,000+5,000+10,000+2,000)×0.6=300

のれんの消却:300÷10年=30

<S社株式の追加取得の修正仕訳>

非支配株主持分: (35,000+5,000+28,000+2,000)×0.2【追加取得した比率】 =14,000

資本剰余金:14,600-(35,000+5,000+28,000+2,000)×0.2【追加取得した比率】=600


注意!

純資産の貸方をプラスしているため借方項目は△表示になります。


タカ

自分で間違わない方法を見つけましょう!

タイムテーブル上の注意


考え方 のポイント
・S社株式の20%追加取得⇒20%の非支配株主の減少
・「追加取得したS社株式の取得価額」と「非支配株主持分の減少額」との差額を「資本剰余金」として処理
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